内見フロア

2020/2/23 14:00-23:00 

遊園地都市の進化 – スクワット作戦会議 in 渋谷4階 映像展「内見フロア」



「建物が死ぬとき死ぬまえ」

建物が風化せず、用途が単一に使われ続ける状況を「建築脳死状態」と私は勝手に呼んでいる。

現代の建物は、殆ど建設完了とともに死ぬ。竣工した瞬間は死であり、建設中と建て壊し時にだけ、僅かに生きる。

403号室「入居中」402号室「入居拒否」401号室「不在」

建物と人間の生活を映し出した二部屋の内見へようこそ。

403号室「入居中」

あ。おじゃまします。知らない人物の部屋に入った時の居心地の悪さ。誰もが経験した事があるだろう。それでも。他人の生活を覗く事への欲求が自分の中にあるのを確認してしまう。その知らない人物の生活が、明るい生活であっても暗い生活であっても、自分の生活とは関係はない。他人の日常空間を不意に覗き見してしまっても、自分の生活には大して影響しない。だが。五年後、もしかしたら十年後。自分の生活が大きく変わり、五年前か十年前に覗き見た他人の物語が、今の自分とオーバーラップしてしまう経験。生活とはそれくらい生モノだ。注意して内見せよ。

402号室「入居拒否」

あ。おじゃまします。そもそも、ここは誰の所有する場所なのだろう。そんな事、よく分からずに足を踏み入れてしまった。目の前に立つ人物は明らかに建物の所有者ではない。もしかしたら借者かもしれない。ここに住んでいるのだろうか。物語不在の部屋だ。ここに来た理由さえ拒否する場所だからこそ、逆に希望があるかも知れない。落ち着いて内見せよ。





  • 美術展覧会「内見フロア」

  • 秋山佑太/トモトシ 共同キュレーション&会場構成

  • 日時:2月23日 (日曜・祝前日) 14:00-23:00 

  • 会場:RELABEL Shinsen 4F (東京都渋谷区神泉町20−21)  渋谷駅・渋谷マークシティ道玄坂上方面出口 徒歩6分/京王井の頭線・神泉駅 徒歩2分

  • ※チャージ 500yen (四階展示では豚汁料金として500円をいただくことをご了承ください) ※Fee: 500 yen, please make sure that only this floor is required to purchase the TON-JIRU ticket.


参加作家

青柳拓 

AOYAGI Taku    twitter.com/otogisyrupz

青柳 拓

山梨県市川三郷町生まれ。映像作家。ドキュメンタリーを中心に映画を制作。主な作品として、ドキュメンタリー映画『ひいくんのあるく町』などがある。アーティストグループヒスロムの展覧会「仮説するヒト」(仙台)、「Itte kaette. Tam i z powrotem」(ワルシャワ)の設営に参加し、メイキングを撮影している。

《井戸ヲ、ホル》Video、36min、2020

秋山佑太 

AKIYAMA Yuta    yutumn.com  

美術家・建築家。1981年東京都生まれ。展覧会の空間設計と建造物を扱う活動。「移動」「集積」といった方法で、複雑な時を刻んで来た建物に「地霊」を呼び起こす作品を制作。近年の主な企画に、2016年「BARRACKOUT/バラックアウト」展 (旧松田邸)、2017年「グラウンドアンダー」(SEZON ART GALLERY、東京)、「超循環/超循環」(EUKARYOTE、東京)、18年「モデルルーム」(SNOW Contemporary、東京)など。

《breaker》Video、9min、2020

今井新 

IMAI Arata    twitter.com/arataimai  

1992年港北ニュータウン生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。現代美術家・映像クリエイター。フィールドワークを行って得た知見を、自分キャラ「イマイ君」を用いてマンガや映像で表現する。趣味はバックギャモン。主なグループ展に2018年「ゲームポリヘドロン」(中央本線画廊)、2015年『カオス*ラウンジ新芸術祭2015 市街劇「怒りの日」』(福島県)、2013年「芸術係数企画 / ア・ワールド・ピクチュア-How do you make a world picture?」(EARTH + gallery)、など。

《生活体》Video、18min、2017

海野林太郎  

UNNO Rintaro    rintarounno.com  

1992年東京都生まれ。2018年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。宗教やゲームなど、自身のリアリティに根ざしたものを手掛かりに「異様な汎景」としての映像やインスタレーションを制作している。マテリアルショップ「カタルシスの岸辺」運営メンバー。主な展覧会:「サスペンデット・エクスプローラー!」(EUKARYOTE、東京、2018)「カオス*ラウンジ 破滅*アフター」(六本木ヒルズA/Dギャラリー、東京、2018)「パープルーム大学 尖端から末端のファンタジア」(ギャラリー鳥たちのいえ、鳥取、2017)「牛窓亜細亜芸術交流祭」(瀬戸内市尻海区、岡山、2017)

《イメージとのまぐわいかた》Installation、2016

金藤みなみ+VJ.曽根安代    

kintominami.com     instagram.com/_.yasuy0._  

《マスク街と蒸発》The MASK city and the word called “vaporize yourself”

Video、5min

金藤みなみ

1988年徳島県生まれ、神奈川県在住。衣装家・小道具家としてキャリアをスタートし、消費によって削られる装いを動機に、パフォーマンス、ビデオインスタレーション、マスク制作、小説執筆などで活動。2013年から2016年まで渋家に在籍。女子美術大学・多摩美術大学大学院・新芸術校で学ぶ。
主な個展に「THE DOUBLE KISS すみだがわ キスする ふたつ」あをば荘(東京、2013年)、「The crying women」dongsomun(Seoul[韓国]、2018年)がある。グループ展に、金藤みなみ+GiliLavy展覧会「イスラエルから来たコロッケ」ナオ ナカムラ(東京、2016年)、「反魂香」西方寺(東京、2017年)、「BOYS LOVE -花-」野方の空白(東京、2017年)、「芸術ハカセは見た!~徳島のひみつ~」徳島市立徳島城博物館和室(徳島、2020年)などがある。

曽根安代

1997年生まれ神奈川育ち。
人と言葉が通じないことに苦しむ幼少期を過ごし、その葛藤の中で自己理解を深めることの重要性を痛感すると同時に、それらを軽視し自らを見過ごす人々が多い世の中に強い危機感を覚えるようになる。
神奈川工業高校デザイン科卒業後、より好き勝手に絵を描くためセツ・モードセミナーに通い、現在は美学校生。
基本的に学校ギライだが人が好きなので、コミュニケーション欲を原動力に作品制作する。
絵画以外に脚本、詩、漫画を制作し、VJとしても活動する。
最近の展示に「東京インディペンデント2019」、特殊漫画家美学校講師との2人展「根本敬と曽根安代展」がある。


駒嶺 ちひろ
KOMAMINE Chihiro
https://twitter.com/koma_mine?s=09

1993年岩手生まれ。現代美術家。画家、映像作家。我々は他者の視線によってデフォルメされながら生きている。駒嶺はデフォルメを手法とし、現代の人間像を描く方法を探っている。作品は主に既成のキャラクターぬいぐるみをそれぞれの世界観を背負ったものと仮定し、人の形にデフォルメする「Shape of men」シリーズと、人をサイコロの形にデフォルメする「さいころシリーズ」を展開している。作品、作者共に不気味な表情を浮かべたビジュアルが特徴。主な個展に『いつかどこかへ飛んでゆく』(画廊跡地/2019年)、『描かれた肖像』(東北芸術工科大学大学内/2020年)、『ぬられた肖像』(新宿眼科画廊/2020年)など。


齋藤はぢめ 

SAITO Hajime    hajimesaito.jp

1992年生まれ。2014年東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業、2015年美学校アートのレシピ修了。他者との関わりを扱った映像や写真などをコスチュームを用いて制作している。 主な個展に2016年「Non Player」(ナオナカムラ)、主なグループ展に、2016年「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」(東京都現代美術館)、2018年「二人だけの国」ギグメンタ「明暗元年」 (あをば荘)、2019年「遊びと表現の往復書簡」(いりや画廊)。

《社会貢献女子高生》Video、6min55sec、2012
《My Basket》 Video、2min41sec、2013

高田冬彦 

TAKATA Fuyuhiko    fuyuhikotakata.com  

現代美術家、映像作家。作品は主に作者の自宅アパートで撮影され、時に作者本人も登場する。 密室で渦巻く独りよがりな夢想のようなものを、ジェンダーやトラウマ、神話やポップカルチャーなどといった要素 と混ぜ合わせながら表現する。 主な個展に『MAMスクリーン011:高田冬彦』(森美術館/2019年)、『DREAM CATCHER』(Alternative Space CORE/2018年)、主なグループ展に 『MOTアニュアル 2016|キセイノセイキ』(東京都現代美術館/2016)

《Afternoon of a Faun》video、5m27s、2015-16年
《MANY CLASSIC MOMENTS》video、3m17s、2011

トモトシ 

tomotosi    tomotosi.com

1983年山口県出身、現在は東京を拠点に活動。豊橋技術科学大学を卒業後、10年にわたって建築設計に携わる。2014年より映像、インスタレーション、パフォーマンス作品を発表。近年は「都市空間や公共ルールに歪みを生むアクションを行い、そのリアクションを含めた振る舞いを記録する」ことで制作をしている。

《美しい日本の私たち》video、11m3s、2019

宮野かおり 

MIYANO Kaori    twitter.com/kaorin_pikao 

1990年東京都出身。幼少期を埼玉県と福島県を行き来して育つ。
2012 年中央大学経済学部を卒業後、一般企業への就職をした後、多摩美術大学造形表現学部(夜間)、多摩美術大学美術学部絵画学科(中間部)を経て、2020年東京藝術大学美術研究科修士過程修了見込。
街そのものや、街を利用する人々に日常から一瞬エスケープするような仕掛けを施すことで、現代の姿を浮き彫りにする。
パフォーマンス、映像、インスタレーション作品を中心に発表。
主なグループ展に、「第3回CAF賞展」(2016年、3331 Arts Chiyoda)、「ひとりの識」(2019年、sheep studio)等がある。

《LOVE LETTER》installation、2019

《海なし県が海に出会った日》video 33m6s、mixed media、2019


美術展覧会「内見フロア」

2020/2/23 14:00-23:00